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「フェルマーの最終定理」読了 [読書メモ]

実はだいぶ前に買って一度読み終えていた、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」を再読しました。

理性の限界」を読んでから、論理学とか数学とかの本が面白いなーと思っていたので、会社の人に貸していたのを返してもらって再読。その人の話のよると、DeNAの南場社長から面接で勧められたとか?

フェルマーの最終定理とは、「x^n+y^n=z^n、n>3の時、この方程式に解はない」という、意味だけ見れば小学生でも分かる内容です。n=2のときは「ピタゴラスの定理」ですね。
フェルマーは、「驚くべき証明を持っているが、余白がないので書くことができない」という言葉を残したまま世を去り、その後300年に渡って超一流の数学家が挑戦したにも関わらず解けなかった問題を、ワイルズが1995年に解きます。

この本は、その経緯を、数式をほとんど使わないで、非常にわかりやすく解説してくれます。この、数式を使わないで数学の本を書く、というのは非常に難しいことだと思うのですが、筆者の力量が素晴らしいので、どんどん引き込まれてしまいます。そしてワイルズが証明を発表して、その証明を完成させるシーンに至っては、もうそのまま映画化してもいいと思えるくらい感動的!数学の本でこんなにドラマティックなのは他に無いでしょう。

タイトルや表紙が硬いので難しそうなイメージを持ってしまう本ですが、内容は正反対ですのでぜひ読んでみてくださいね。

さて、再読して気がついた内容が幾つか。「理性の限界」で初めて知ったと思っていたゲーデルの不完全性定理が、ちゃんとこの本に書いてあるんですね。しかもゲーデルの顔写真入りです。
ゲーデルが不完全性定理を発表したことにより、数学には絶対に証明出来ない問題が存在することがわかり、フェルマーの最終定理も、もしかするとその類の問題なのではないかと思われていたそうです。

こうやって、以前は知らなかったことが、新たな知識により自分の中でリンクしていく感触が読書や勉強の醍醐味ですね。


フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

  • 作者: サイモン シン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫



「理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性」読了 [読書メモ]

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
高橋 昌一郎
講談社
売り上げランキング: 11676


この本、すごいです。タイトルを見ると死ぬほど難しそうに見えて、実際に難しいことが書いてあるんですが、それをあまり感じさせないのがすごい。
この手の哲学とか論理の本って、たいがい数行読んだだけで何を言っているかわからなくなる場合が多いのですが、この本はわからなくなる寸前にちゃんとそれを予期して説明を入れてくれる。具体的には架空の対談形式になっていて、専門家と素人のやりとりという形になっているので、すごく読みやすい。ど素人の僕でもなんとか意味は理解できました。

この本が述べているのは、「アロウの不可能性定理」「ハイゼンベルクの不確定性原理」「ゲーデルの不完全性定理」と、それぞれ「社会科学」「物理」「論理学」と分野は違えど、人間の「理性」がどこまで通用するかをテーマにおいています。
一応物理学科出身なので、「ハイゼンベルクの不確定性原理」については理解があったけれど、「アロウの不可能性定理」「ゲーデルの不完全性定理」については、どこかで名前を聞いたことがあるという程度でした。

「アロウの不可能性定理」でものすごく納得したのが、「多数決」の理不尽さ。小学校の学級会の時から、「多数決で決まったものは正しい」という風に教えこまれてきたけれども、何か違うとみんなどこかで思っていたと思う。その理不尽さを明確に証明しているのがこの章。
そしてさらに衝撃なのが、「公正な決め方」というものが存在しないということをこの定理が証明しているということ。公正に決める、ということがどうがんばっても無理、ということです。
こういうことも知らずに小選挙区制やオリンピックの決選投票なんかについて意見を言ってきたのが恥ずかしいです。どうしてこんな大事なことを学校では教えてくれなかったのか。。民主主義の根本にも関わる重要なことだと思う。

「ハイゼンベルクの不確定性原理」については大体の知識はあったけれども、これまたわかりやすく説明してくれる筆者の力量がすばらしいです。 後半の、「科学の持つ客観性」についての議論も非常に面白い。

そして「ゲーデルの不完全性定理」。これは難しい!簡単に概要を説明するのも難しいけれど、「あるシステムの中で、そのシステムの仕組みでは証明できないことが存在する」ということを証明してしまった論理らしいです。例を挙げると、「私は嘘つきである。」という文章で、自己矛盾を含んでしまうからです。これが、ほとんど全ての体系(数学を含む)に対して成り立つので、厳密に何もかも証明できると思われていた数学でさえも、決定不可能なことが存在することを証明しています。
ということは、人間は自分自身のこと完全に理解することはできない、ということになりますね!?

そしてこの3つに共通するのが「理性」に理論的な限界があるということ。「人間の可能性は無限」ではなかったわけですね!
久々に知的興奮を覚える本でした(中学生のときにブルーバックスなんかの相対性理論の本を読んで衝撃を受けた感じw)。おすすめです!

「異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念」読了 [読書メモ]



フリー」で引用されていて面白そうだったので買ってみました。

タイトルだとゼロの話だけのようですが、ゼロと無限大は表裏一体なので、無限大についても同様に語られます。(ゼロの存在を認めると、 ある場所にゼロが無限大個存在することになり、無限大の存在を認めたことになる)
ゼロと無限大の概念の生まれた(そして生まれなかった)文化的背景から、ゼロと無限大を活用した微積分の絶大な威力、そして物理学でのゼロと無限大の概念が語られます。内容が非常に幅広く、キリスト教から超弦理論まで、文系理系関係なく非常に楽しめます。

まず発見だったのが、キリスト教にとってゼロ・無限大が受け入れられない概念だったということ。無限大が存在するということは、神や教会の支配が及ばない地域がある、ということになりますからね。なので、ゼロの概念はヨーロッパではなく、インドで生まれてアラビアに伝わったわけですね。
そして、ニュートンとライプニッツの微積分の発見。無限に細かく分解していくことで、「微分」の概念が生まれたのですが、ニュートンの計算式には「非常に小さいものを掛け算するともっと小さくなるので、無視してもいい」という部分がありました。この近似計算に目をつぶれば、微積分は様々な現象を的確に表すことがわかり、ゼロと無限の概念は科学の発展に欠かせないものとなりました。今は微分の定義はあいまいさが全く無くなっていますけども(巻末の脚注に定義の式が書いてあります)
物理学科を卒業しておいて言うのもなんですが、この本を読んで微積分の概念と重要さを今更ながら理解しましたw

そして、物理学のゼロと無限大の概念へ。現代物理学の基礎、相対性理論と量子力学を統合していくと、どうしても体積がゼロで質量が無限大の物質が出てきてしまう。でも、そんなものが本当に存在するの?と考えると、物質は9次元の「ひも」から構成されると考えると辻褄が合う、という「超弦理論」が出てきます。

ということで、ゼロの概念発生の科学史から、現代物理学まで非常に幅広くわかりやすく解説された本書、数学の知識が無くても楽しめますが、多少の知識があるといっそう楽しめると思います。
 

「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」読了 [読書メモ]

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン
日本放送出版協会
売り上げランキング: 1

いやー、非常に参考になる本でした。
あとでもう一度読み返して、要点をまとめようと思ってますが、とりあえずのメモ。

インターネットの世界では当たり前な「無料」。Googleはじめ、mixiなどのSNSやブログサービスも1銭もお金を払わなくても使えちゃいます。でもこれって運営側はどうやって儲けているのか?それを詳細に解説しているのが本書です。

一言で「無料」と言ってもそのビジネスモデルは様々で、「30日間無料」「機能限定版無料」「有料の人だけ使えるオプション」「ここは無料だけど、別のところで儲けるよ」などなど、様々なものがあります。

僕も経験があるのですが、勤務先で新しいWebサービスを立ち上げた時に「まずは無料で始めて、人が集まったら有料にしよう」という経営判断がなされました。たしかにこのモデルで成功したサービスはたくさんあります。しかし、後発のサービスがそれだけで成功するか、といったらそうではありません。いくら料金は無料でも、ユーザーにとって、新しく操作方法などを覚える「手間」が発生するため、無料ではないからです。
このあたり、感覚的には理解していたのですが、明確に主張をすることができませんでした。結果はやはり失敗で、有料化どころかお荷物サイトになっています。
そのときにこの本を読んでいたら、と思うと口惜しいですね。

この本のキャッチコピーにもなっていますが、「どの業界にいても<無料>という新しい経済モデルからは逃げられない」というのは実感しています。そのことに明確に気づかされたこの本に感謝です。
 


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